Musée Picasso Paris

今日は4月の第一日曜日。

パリ中の美術館が無料で開放される日です。


私はこの日、’’ Musée national Picasso-Paris ’’(パリ国立ピカソ美術館)へ行って参りました。

北マレに位置する ’’ Hôtel de Salé ’’(サレ館)に設けられたこの美術館には、名前の通り、ピカソの作品が数多く貯蔵されています。



彼の作品を初めて目にしたのは、去年の12月に訪れたスウェーデンの「ストックホルム近代美術館」でのことです。

さまざまな画家の近代美術作品が並ぶなかで、圧倒的なエネルギーを感じ、隣り合う絵画を押しのけるようにこちらへ飛び込んでくる感覚は今でも鮮明に思い出すことができます。

この絵の作者は誰だと、キャプションを確認したのはその後のことで、それがピカソのものだとわかった時は、妙な納得感に包まれました。


パリのピカソ美術館では3月27日から7月29日にかけて ’’ GUERNICA ’’ というタイトルの特別展が催されており、今日はその展示を2時間ほどかけて廻りました。



’’ Guernica ’’(ゲルニカ)は彼の作品の名前。スペインで起こった、ゲルニカ爆撃を主題とする、誰もが一度は目にしたことのある名作ですね。

この一つの作品にかけた準備と製作過程がこと細かに記録され、展示に訪れた人々は数々の習作を目の当たりにすることが出来ます。



’’ Guernica ’’ が生まれたスペイン内戦の実情が当時の新聞などの資料を用いて展示されています。



美しさの根本には「バランス」があると考えているのですが、美術において、そのバランスは「額」が重要である気がします。

美術作品が生まれる空間、つまり紙上やキャンバスなどには必ず、限りがあり、その縁を飛び越えることは出来ません。

音楽にはその縁を見ることができない。でも、必ず存在すると思うのです。

それは表現の限界とは違います。

芸術を生み出す人間は、自分がどの位置になにを置くか理解するために、常にそれらを相対的に考える、対象を見出すべきだと思っています。


時々、思い出したように近代美術・現代美術に触れる機会を作るのですが、なぜかと問われれば、それは自身の音楽に対する姿勢を再確認するためなのかも知れません・・・。


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